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ぶたろうノート

棋力向上のための覚書

斎藤慎太郎五段「森下システム」を語る (2)

先日の記事に続いて、ニコニコ動画で斎藤慎太郎五段が森下システムについて語った際の続きを掲載いたします。今回は、挑戦者の森下システムがponanzaの雀刺しによって攻略される具体的な手順が中心です。

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森下システムvs雀刺しの分岐点

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斎藤「ここ、ちょっと分岐なんですけど(第4図)。でも、実は▲8六銀とは上がりにくくて。端の数は今勝ってたんですけど、先手は。でも、▲8六銀に△8五歩▲同銀としてしまうと数で負けてしまう。 ▲8六銀を上がるとダメだったんです、今は。▲同銀が最善で。△同香から先手は駒損なんですけれども、後の反撃をみてはいるんです」

山本「この後は、△同香▲同香…」

斎藤「ええ、△同香▲同香△同飛▲9九香と恐らく打たれると思います」

山本「飛車が死んじゃいましたね」

斎藤「ええ、飛車が死んで。ただ、これも定跡形で、その後△9七歩▲同香△同角成と、角を渡しておく展開です。角香交換くらいなら、後手も、もともと銀をもらっていますからね、そんなに気にしないというのが、この雀刺しの指し方ですね」

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山本「(Ponanzaが考慮中(第5図)に、挑戦者が、次の香打ちのために持ち駒にすでにカーソルを当てているのをみて)もう挑戦者の方は、香車をすぐ打ちたいんですね(笑)」

斎藤「これね、▲9九香までの形はよくある形なんで、考えることはないと思われていると思います。ここまではアマチュアの方は、予想の範囲の展開ではないでしょうかね。もともと受けに回るという思想ですからね。でも、ここからのPonanzaの攻めが恐らく鋭いですからね、耐えられるかどうかでしょうかね、アマチュアの方からすると」

△5二金と△4三金の違い

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山本「専門的で申し訳ないですけど、この形(第6図)で△5二金と△4三金の形があるじゃないですか。△5二金の方が良さそうに見えるんですけれども、どうなんですかね」

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斎藤「それは合ってますね。△5二金型だと、ちょっと先は長くなるんですけど、ここ(第7図)から△同角成▲同桂△7五歩と突くのが部分的な手筋なんです。△7五歩▲同歩△7六香ですか。でも、△7五歩の瞬間に▲7四角という反撃があって、このときに6三の地点が弱く見えますね」

山本「そうですね」

斎藤「で、△7三銀という応援がなくなるのがまずひとつと、△4三金と上がったことによって飛車を渡しづらい…あ、でも△7五歩と突きましたね」

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△7五歩と突き、この後先手がすぐに▲7四角と打つ。実はこの▲7四角が疑問手の可能性が...

斎藤「で、▲7四角と早いんですけど、形ということで、先手の方はもう知ってる、という手なんですね。▲同歩△7六香がダメというのは形で判断はしています。でも、実際はどうかというのはもっと精査するべきところではあるんですけど、定跡も偉大と言えば偉大なので、▲7四角打っちゃうのは、僕でも打っちゃうかなあって」

山本「△7一香(参考1図)とかいう分岐も」

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斎藤「あったんです、ええ。僕だったら、△7五歩に代えて、△7一香と先に打ってから、△7五歩と突いた方が楽しいかなって思う方なんですけど。▲7四角も消しますし、下からドンと攻めていくのが、僕は好みなんで。まぁまぁ、でも分岐でしたね、今は。この飛車取り(▲7四角)ちょっと受けにくい…おっ、これは手筋ですね」

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...ということで、森下システムを知らない自分にとっては、とてもためになる森下システムの講義でした。そして、第9図で後手のponanzaが指し、斎藤五段が「手筋」と言った次の一手とは? 次回に続きます。

 

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