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ぶたろうノート

棋力向上のための覚書

山本一成氏が語る「コンピュータの中盤の強さ」

前回の記事では、斎藤慎太郎五段が、豊島七段-YSS戦を参考に、コンピュータに勝つには中盤を省略した戦いが有力だという説を展開してくれたのを紹介しました。では、なぜ「中盤」なのか。番組の中で、人間にとっての中盤の難しさを山本一成氏が語ってくれておりましたので、そちらをどうぞ。

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コンピュータの中盤の強さ 人間の中盤の弱さ

山本「中盤と終盤の話なんですけれども、コンピュータと人間って、コンピュータは読むところと評価するところ、探索と評価関数があると思ってるんですけど。人間って読むところと評価するところにもう一個、戦略を立てるみたいな、もっと大きな分野があって。

戦略っていうのは、ひとつは、例えば、豊島先生が横歩取りを選んだほうが良いとかありますよね。逆に、コンピュータが中盤が強いっていうのは、恐らくなんですけど、わたしの認識だと、指針が立てにくいんじゃないかなと思ってて、人間側の。つまり、序盤は指針が立ちやすいし、終盤は、特定局面で、具体的に言えば、Zを使って相手を詰めろをかけるとか。そういう場合は、読みがものすごい効率的に進むんですよね、人間って。だけど、コンピュータっていつもそういうのがなくって、いつもクソ真面目に、ブルドーザーみたいに読んでるんですよね。

中盤って指針が立たない局面がしばし多くて、そういったところで、人間が戦略性を立てて、有利に読みを進めるっていうことが上手にできないんじゃないかと予想してるんです」

斎藤「そうですね、僕もまさにそうだと思いますね。中盤戦で、目的をどこにつけるかがわからないところが、人間は特にあると思うんですね。コンピュータ・ソフトの場合はどうかわからないですけど、目的が、とにかく人間にはわからないときがあるんですね、中盤戦。終盤戦、序盤戦では、やっぱりちょっと違うかなと思います。まだ分かるかなと僕でも思うところがありますから。そこで多分わからないまま、差をつけられているという展開があるんではないかなと思っています」

山本「逆に人間は、こういう方針がたったみたいな感じだと、読みが20手と言わず30手とか先まで読めてしまうところがありますよね」

斎藤「そこが強みとも言えるわけなんですけどね」

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自分のような初段程度の棋力でも、例えば「相手がノーマル四間飛車なので、居飛車穴熊にしよう」というような方針さえ決まれば、序盤は割とさくさく序盤を進めることができます。ただし、中盤になると、途端に分からなくなってしまうことがよくあります。そして、終盤になってくると、寄せや詰みの手順が何手も読めるようになったりします。

中盤の茫洋とした感じが、人間にとっての将棋の難しさのひとつなのだろうと思います。もし手の広い中盤戦で、今と違う次元で局面を理解する方法があれば、将棋への理解度がもっと上がるのかな、などと妄想しました。(具体的にはちっともわからないですが)

しかし、こういった内容を番組の冒頭からさらっと語ってくれるお二人のトークは本当に興味深かったです。ぜひタイムシフトでご覧ください。

 

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