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ぶたろうノート

棋力向上のための覚書

ニコニコ超会議3で現れた同型腰掛け銀(1)

幕張メッセで行われましたニコニコ超会議3で「超将棋 豊島七段&YSS vs ponanza×ツツカナ×習甦」の対局が行われました。「第3回将棋電王戦」第3局で唯一勝利を治めた豊島将之七段とYSSがタッグを組み、最強将棋ソフト軍団「ponanza×ツツカナ×習甦」と対決する、という興味深いイベントでした。

 

ルールは下記のとおりです。

  • 豊島七段&YSSは、豊島七段がYSSの読み筋を見ながら、対局を進めていきます。
  • 最強将棋ソフト軍団は、超会議用に合議制システムを構築し、3つのソフトで検討した一手が指されます。まず、3つのソフトそれぞれが次の一手を決めます。3つのソフトが同じ手の場合は、その手が指されます。2つのソフトが同じ手、残り一つのソフトが別の手の場合、多数決で決まります。3つのソフトが別々な手の場合は、電王であるponanzaの手が採用されます。
  • 持ち時間は、豊島七段は持ち時間30分、切れたら一手30秒、最強将棋ソフト軍団は一手10秒。
  • 先手は豊島七段、ソフトの代指しは川崎直人三段。

ちなみに、今回は合議制のため、相手の手番中に先読みするというコンピュータ・ソフトの先読み機能は作動していなかったようです。

さて、対局は角換わり腰掛け銀の同型と呼ばれる局面に進みました(第1図)。

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ここで、角換わり腰掛け銀の同型から歩の突き捨てまでの局面までの間で、それぞれのソフトが示した一手をご覧ください。青いセルは採用となった手です。

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これを見ると、ツツカナは「角換わりの同型で良い」と思って進めていたように見えます。また、ponanzaは早く△7三桂と跳ねたがっていたことがわかります。現在のプロでは、早めの△7三桂はあまり指されなくなっている形だったと記憶しています。また、▲2五歩に対して、ponanzaは△3三銀と受けずに△6五歩と仕掛けたがっていたのも目に留まります。このあたりから、ponanzaについてはあらためて攻め将棋の棋風だと感じました。

特に驚いたのが▲3五歩に対する△同歩(第2図)。解説の佐藤天彦七段も少し驚いた様子でした。

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ここは△4四銀とするのが定跡とされています。吉田正和五段の『これからの角換わり腰掛け銀 (マイナビ将棋BOOKS)』を見ましたが、「△3五同歩▲4五桂△4四銀▲7四歩で先手優勢」とはありますが、△3五同歩▲4五桂△同銀という順は特に解説されていませんでした。

これからの角換わり腰掛け銀 (マイナビ将棋BOOKS)
これからの角換わり腰掛け銀 (マイナビ将棋BOOKS)

角換わりの同型は、プロ間では結論が出ているようで最近は指されなくなってきている、と解説の佐藤天彦七段はおっしゃっていました。しかし、代指しの川崎直人三段の次のような発言が...。

ということは、この進行は(この後の指し手も含め)プロ間で再考に値するということなのでしょうか。楽しみです。