今泉健司 最強アマ直伝! 勝てる将棋、勝てる戦法 中飛車 (1) 角交換型
楽しみにしていた今泉健司さんの『最強アマ直伝! 勝てる将棋、勝てる戦法 (マイナビ将棋BOOKS) 』が発売されました。この本は、主に今泉さんの主戦法である中飛車に焦点をあて、解説しています。
最強アマ直伝! 勝てる将棋、勝てる戦法 (マイナビ将棋BOOKS)
今泉さんが中飛車を指す理由のひとつは「戦型が100%可能なところ」。「居飛車党の戦法はさまざまだが、中飛車は自分の意思で戦型を確定でき、自分のペースで戦えることが大きい」と仰っています。そして「一つの戦法に限定することで、相手の対策もある程度限定できる」のが理由のようです。
第1章では、角交換型の中飛車について解説しています。なるほどなあ、と思いながら、早速GPS相手に試してみましたところ...すぐに躓きました。
序盤は以下のような進行です。
初手からの指し手
▲5六歩△3四歩▲5八飛△5四歩
▲7六歩△6二銀▲4八玉(第1図)
『最強アマ直伝!』では、第1図の局面で△8四歩▲3八玉の場合を解説しています。しかし、GPSは△4二玉と指してきました。この違いがまったくわからず「本には△4二玉の形のときに、角交換しよう。2二同銀に限定できるから。角交換振り飛車によく出てくるな」とか「5筋交換できるときは必ず交換って書いてたから、ここは交換だ」などと思っていたら...
第1図以下の指し手
△4二玉▲2二角成△同 銀▲8八銀
△5三銀▲5五歩△同 歩▲同 飛
△4四銀▲5九飛△4五角(第2図)
思いもよらない角打ち...何も見えてなかった...。本では、△8四歩▲3八玉△4二玉のあとの角交換と5筋の歩の交換だから、角打ちは生じないのか...と。生兵法は怪我の元とはこのことでしょうか。
第3図で5筋を交換しようとして失敗したので、▲3八玉とすると...
第3図以下の指し手
▲3八玉△6四銀▲2八玉(第4図)
第4図のように進んで、△6四銀と構えることができた居飛車側は不満のない序盤のように思いますが、振り飛車側はどうなのでしょうか。(ちなみに今泉さんの本に、角交換型で5筋の歩が交換できなかった場合の解説はないようです)