ぶたろうノート

棋力向上のための覚書

及川拓馬四段 (当時) の5手詰の法則 (2)

古本屋で購入したNHK将棋講座に連載されていた及川拓馬四段の「詰将棋はじめの一手」。こちらは先日もご紹介したように、詰将棋の解き方となるヒント、コツといったものがわかりやすく書かれています。将棋ウォーズ初段程度の自分でも、勉強になりました。

 NHK将棋講座2010年10月号の「詰将棋はじめ一手 5手詰の法則②」では持ち駒の枚数がヒントとなる、ということが丁寧に説明されています。ここで紹介されている法則は以下のものです。

5手詰で持ち駒3枚の場合、攻め方の盤上の駒は動かさない。

目から鱗が落ちる、とはこのことでしょうか。

言われてみれば当たり前なのですが、今まで意識したことはありませんでした。5手詰であれば、攻め方が指すのは3手。この3手で持ち駒を使い切らなければならないわけですから、当然と言えば当然です。

1手詰から7手詰の場合では、以下のようになります。

1手詰で持ち駒1枚の場合、攻め方の盤上の駒は動かさない。

3手詰で持ち駒2枚の場合、攻め方の盤上の駒は動かさない。

5手詰で持ち駒3枚の場合、攻め方の盤上の駒は動かさない。

7手詰で持ち駒4枚の場合、攻め方の盤上の駒は動かさない。

なんだか数学のような感じですね! (中学生レベルの)

上記の法則を知ることで、初級者~中級者は問題を解く時間の短縮につながるでしょう!

 

また、持ち駒の枚数に注目すると、下記のようなことも導き出せると思います。

3手詰で持ち駒1枚の場合、玉方の駒を取る手は生じない。

5手詰で持ち駒2枚の場合、玉方の駒を取る手は生じない。

7手詰で持ち駒3枚の場合、玉方の駒を取る手は生じない。

例えば、3手詰で持駒が1枚目の場合、初手か3手目のいずれかは、持駒を打つ手になります。また、持駒を打つ手と相手の駒を取る、ということは同時には発生し得ない事象です。さらに詰将棋のルールとして、「攻め方は持ち駒を余らせて詰んではいけない」というものがあります。そのため、先の法則が成り立ちます(...合ってますよね)。

あらかじめ詰みまでの手数がわかっている詰将棋の問題では、持駒の枚数にヒントが隠されていると言えます。