ぶたろうノート

棋力向上のための覚書

『横歩取り超急戦のすべて』 (4) △4五角戦法

先日『横歩取り超急戦のすべて』を参考に、△3三角戦法と△4四角戦法について取り上げました。

『横歩取り超急戦のすべて』 (1) △3三角戦法

『横歩取り超急戦のすべて』 (2) △4四角戦法

『横歩取り超急戦のすべて』 (3) △4四角戦法 その2

△3三角戦法は後手良しにはなりませんが、△3三角戦法でうまくいかなかった部分について改良を加えたのが△4四角戦法です。しかし、その△4四角戦法も後手にとって難しいのではないか、というのが上述の記事です。

そこで、△4五角戦法です。『横歩取り超急戦のすべて』では、この△4五角戦法に一番ページが割かれています。△3三角、△4四角と比較すると、一番よく知られている戦法だと思いますし、研究もされている戦法かと思います。

横歩取り超急戦のすべて』を読むと、かつて△4五角戦法がいかに流行していたかがわかります。引用してみます。

昭和46年生まれの羽生善治三冠は、「子供大会に出たら、右も左も△4五角戦法ばかりだった」と言っている。

また、将棋世界1991年3月号「若手棋士に聞く ボクが初段になるまで 森内俊之五段の巻」で、森内五段 (当時) は次のように語っています。

―初段に近づいている頃、得意としていた戦法はありましたか。

「得意というか、好きな戦法は、横歩取りの△4五角戦法でしたね。確か、将棋世界か何かの付録で読んで、序盤からすぐに激しい戦いになって終盤に突入するというのが気にいったんです。」

森内竜王・名人と羽生三冠は同い年なので、彼らが小学生の頃に△4五角戦法の流行が相当なものだったのだろうと推測されます。

飯島七段は△4五角戦法で最もよく知られている対局を3つ取り上げ、△4五角戦法がいかに強烈な戦法かを解説しています。また△4五角戦法の前提についても解説してくれています。

△4五角戦法についてまとまった知識を得るには、『横歩取り超急戦のすべて』はとても良い1冊だと思います。また、現時点では、△4五角戦法について詳述された本の中で、もっとも手に入りやすい一冊かと思います。